点訳者・音訳者等、資料製作者に対する指導・助言 (事例紹介) ■資料製作者(音訳者)に対する指導・助言 斉藤恵子(横浜市中央図書館) 1 基本的事項  音訳者としての活動は正解がひとつではない地道なものです。その一方、図書館側の求めに応じて様々な資料の音訳に取り組むことで奥の深さ・面白さを実感できるやりがいのある活動でもあるはずです。 2 下読みと調査  レファレンス・ツールの活用。ポイントとなる語や意味のまとまりへの気配り。簡単な語にこそ思い込みによる誤読が潜んでいます。調べることを厭わないことが重要です。また、耳で聞いてストレスなく理解できる読書を目指した下読みが必要です。 3 音訳上の各種処理  著者の意図をできるだけくみ取る。掲載されている図表や使用されている記号類の意味を考慮した処理が必要。とくに写真や図の説明では多すぎず少なすぎないことがわかりやすさにつながります。 4 音訳の姿勢と環境  余分な「音」を入れない工夫。息遣い。マイクとの適切な距離。本に向かって読むのではなく少し先の読者を意識し、しっかりと声を届けることが大切です。 5 自己モニターと修正  思い込みによる誤読は時間をおいて客観的に聞くことで発見できます。修正の際にはその箇所が目立ち過ぎないよう、機器の操作ミスなどにも注意を払いながら行います。また、全体のトーンが揃うよう、前回の録音を聞いた上で続きを読み始めることも大切です。